メンタル強化講座②[2/6] 【やる気を高める3大要素】(実践編)


原田先生が陸上部を13回も日本一に導く中で実践していた、

効果実証済みのメンタル強化指導法。



第2回を全6回でお伝えします。



メンタル強化講座②(2/6)

【やる気を高める3大要素】(実践編)



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 人や組織を育てるには、指導者・リーダーが意識をして

「組織のムード」を作ることが大切です。 



そのキーワードとなるのが「厳しさ・優しさ・楽しさ」でした。



 中学校の教師をしていたころ、

私はこの3性の大切さに気付きました。



そして、陸上競技部指導や学校経営において実践しました。



 たとえば、陸上部指導では、

結果・成果を出させる厳しさ発揮が私の役目でした。



しかし厳しさだけではムードはギスギスしてしまいます。 



ある日私は、記録が伸び悩んでいる陸上部の選手が、

次の試合に向けての悩みを保健室のK先生に相談していることを知りました。



K先生がこっそり教えてくださったのです。 

試合前に弱音を吐いて・・・

一瞬はそう考えそうになりました。



その反面、生徒の話を優しく聞いてくださった

保健室のK先生に感謝の気持ちでいっぱいでした。 



「優しく聞いてくださった・・・」 

そこに気付きがありました。



「そうか、優しさも必要なんや!」 



その選手は、K先生にお話を聞いてもらい、

心の整理がついたようでした。 



今まで以上に練習に打ち込み、

次の試合では素晴らしいベスト記録を更新しました。



 この経験から私は、組織活動における

「優しさ担当」を重要視するようになりました。



 私が一人で厳しさと優しさを発揮することもできるのですが、

よく考えてみました。 



私は学校での生徒指導主事という立場もあり、

やはり「厳しさ」の指導を得意とし、

全体からも厳しい指導の実践が求められていました。 



「得意なことなら頑張れる」

その原理原則に立ち返り、



「誰が見ても『優しさ』がその人の長所となっている先生」に、

クラブのサポートをお願いしました。 



そのベテランの女性の先生には、

普段はおとなしい生徒が楽しそうに話をしていました。 



また、1分でも早く学校を出て遊びにいきたがるやんちゃな生徒たちが、

楽しそうに残って放課後に勉強を教えてもらっていました。 



その先生には、包み込むような母性の優しさがありました。 



クラブ活動のムードが一気に良くなりました。 



私と、そのベテラン先生とのコンビネーションはばっちりでした。



私は得意の父性的厳しさ発揮で生徒を目標達成へと導き、

ペアーの先生は、私の思いを理解したうえで

優しく生徒を励ましてくださいました。 



ある日、陸上部のOBがクラブに顔を出しました。 



卒業後、高校でも陸上競技に励む彼は、

中学生に交じり一緒に練習をこなし、

技術指導や声掛けをしてくれました。 



その日の活動は、いつもにも増して質の高いものになりました。



卒業生が参加することで中学生は張り切り、

笑顔で、しかし真剣に練習に取り組んでいるのです。



 「楽しそうやなあ・・・。楽しそう?そうか!楽しさや!」 



こうして私は、「楽しさ」の大切さに気付きました。 



そして生徒のさらなる自主的な活動を啓発するために、

陸上部のOB達に定期的な技術指導を依頼しました。 



自分が中学生の活動を指導する意味と意義、

自分の役割をよく理解しているOBに指導に入ってもらうことで、

クラブ内にとても楽しいムードが流れるようになりました。 



厳しさ・優しさ・楽しさがそろいました。 



こうして選手たちは、理想の雰囲気の中で、

自分の最大パフォーマンスを発揮するようになったのです。 



組織に3性をバランスよく配置しようと思ったら、



自分がどのパートを担当するかを決め、

残りのパートは職場の誰かに依頼します。 



そうすることで、職場の人それぞれが持っている

「強み」を発揮することにもなります。 



仕事のスキルだけでなく、性格や性質の強みにおいての

「適材適所」を考えることが、職場の活性化にもつながるのです。 



さて仮に、3性の役割分担を誰にも依頼できなかったら、どうしますか? 



そうです。自分ひとりで3性を発揮するのです。



 優秀な指導者と呼ばれる人は、実にバランスよく、

しかも一人でこの3性を発揮しています。 



これが教師、指導者に求められる

「厳しい、優しい、楽しい」の演技力とも言えます。 



2回にわたって「3性発揮」についてお話させていただきました。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



(原田研究所公式メールマガジンより)


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いかがだったでしょうか?


次回もぜひお楽しみに^^

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